
◆秋バラとは
バラにはそれぞれ花期があります。
秋バラとは、秋に開花の時期があるバラの事です。
・一季咲き…主に張るだけ咲く
・返り咲き…基本は一季咲きだが、夏の終わりにも少し咲く
・四季咲き…冬以外に開花を繰り返す
・繰り返し咲き…春をメインに咲くが、そのあとも不定期に咲く
四季咲きは秋に最も美しく開花するので、秋バラと言うと四季咲きを指している場合が多いです。
◆秋バラの特徴
秋バラは春バラに比べると鮮やかな色をしており、香りの強さは控えめですが長く続きます。
これは、春と秋の気候の違いが影響しています。
秋は昼と夜の気温の差が大きく、日の出は遅いうえに、紫外線も少なくなります。
このため、秋のバラは春に比べて香りが長持ちし、紫外線に弱い黄色い花なども長持ちする傾向があります。
秋が深まれば深まるほど、気温差も大きくなるので、花の色の深みも増してくる品種も多くなります。
◆秋バラの系統
秋バラには「系統」と呼ばれる分類があります。
その品種の成り立ちや性質などを考慮して分類されているので、品種選びの際には大変役に立ちます。
・チャイナ
中国のロサ キネンシスを起源とした一群の品種です。
花色は淡いピンクから濃い赤まで様々で、香りの強弱にも幅があります。
ほとんどが四季咲き木立性品種ですが、「キャメリアローズ」などつる性の品種も数は少ないですが含まれています。
また、枝が細くしなやかなものは、弱剪定により枝をつる状に伸ばすことも可能でアーチ等に利用できます。
・ティー
庚申ばらの仲間であるヒュームズ ブラッシュ ティーセンティドチャイナと、つる性で淡い黄色の色素を持つパークス イエロー ティー センティド チャイナを起源とする品種群です。
チャイナ・ローズと極めて近い関係にあり、花容や株姿は一般的にチャイナローズより大型で、クリーム色や淡いサーモンピンクなど、黄色味の感じられる色調が多いこと、多くは枝に赤みがさすことが特徴です。
多くは系統名の由来といわれる紅茶のような、甘い独特の香りを持ち、花付きが良く、優美な花容で人気の高い系統です。
しなやかな枝の線は草花とのなじみも良く花壇植栽にも適します。
四季咲きながらつる状に仕立てられるものも存在します。
・ハイブリットティー
つる性のバラがほとんどであった西洋のバラに、四季咲き性の「ティー・ローズ」をかけあわせ誕生しました。
完全四季咲きの強健な大輪花品種群です。
・ポリアンサ
ポリアンサとは「たくさんの花」を意味し、その系統名どおりに大変花付きが良く、多くは四季咲き木立性となります。
日本の野ばら(ロサ ムルテフローラ)を四季咲き品種に取り込んだ系統です。
色幅や花型の変化が少ないですが、多くは耐寒性に優れ、丈夫で育てやすいです。
・フロリバンダ
「フロリバンダ」とはアメリカで名付けられた系統名で「花束」を意味しています。
ハイブリッドティ・ローズと花付き、耐寒性の良いポリアンサ・ローズの交配により誕生し、四季咲き中輪種と呼ばれることもあります。
ハイブリッドティー・ローズからはバリエーション豊かな花色や香り、ポリアンサ・ローズからは房咲き性とコンパクトな樹形、そして強い耐寒性もいくらか受け継いでいます。
・ミニチュア
四季咲きばらすべての親であるロサ・キネンシスのうち、ロサ・キネンシス・ミニマという特に小さい原種を交配親として発展した品種群です。
小さいだけに四季咲き性はあらゆるバラの中でももっとも強く、温度さえあれば初冬でも咲いています。
花ガラ切りを適宜行うことで常に花壇を彩ることができます。
一部、つる性を示すミニチュアがあります。
・グランディフローラ
ハイブリッドティー・ローズとフロリバンダ・ローズの交配によりアメリカで誕生した系統で、最初の品種は1954年のクイーン・エリザベスとされています。
両系統の長所を受け継いでおり、大輪ながらもに花付きに優れ、樹勢も強健なものが多く見られます。
一般に樹高は高く強健、花付きは良いので切り花などにも好適です。